この夏、身近な80代の方々の話を聴く機会が続き、
人は何歳になっても
対人関係でストレスをかかえ、悩むのだと
改めて思いました。
そして、起きている対人トラブルの内容は
子どもでも
若者でも
中高年でも
変わらないのかもしれません。
近所のAさんは、通っているデイケアホームで、
2軒先に住む隣人に嘘の噂話を流されたそうです。
ホームで一緒になる男性と「できてる」という内容。
「本当に怖いわよ。
余計なことはもう絶対言わない」と
ショックで傷ついたようで、怒りをにじませていました。
Bさんは、同居している家族に対し、
こんなに頑張っていろいろやっているのに
配慮されず、背を向けられ、
「切ない」と言います。
いろいろ考えて眠れなくなるのだと。
近しい人ほど、人間関係がこじれると
苦しいものです。
Aさんの場合、
毎日のように近所の皆さんと楽しく井戸端会議をされていたのですが、
あれから、その輪に姿を見なくなりました。
心を守るために、隣人を回避することにしたのかもしれません。
Bさんとは、実は母のことですが、
帰省中、共に過ごしていると、
相手に自分がされることには敏感に傷つき、
眠れないほど悩むけれど
相手に対して自分がズバズバ言っていることには鈍感で気づかず、
それによって悪循環に陥っていることが見えてきます。
悪気がないのはわかります。
母にさらりと感じたままを伝えてみると
「そんなことを言われても、もう80歳だからわからない」
と返ってきました。
周囲で起きてくることは、全てが学びです。
強く心に残るものは、自分のこととして置き換えてみて、
自分を振り返ることにしています。
Aさんのように「余計なことは言わない」コミュニケーションも
母のように悪気なく「思ったことをそのまま言う」コミュニケーションも
私の中に存在する要素です。
以前は、私も言いたいことを飲み込む癖があり、
回避・逃避をよく選択しました。
回避は心を守る大事な手段ですが、
切っていい縁と、切れない縁があるでしょう。
切れない縁や大事な縁においては
建設的なコミュニケーションをとっていけるように
日々、レッスンだなあと思うのです。
又、母と同じく私も、夫がズケズケ言ってくることに対して
「ひどい!」と被害者的立場をとりながら、
夫に自分が思ったことをそのままグチグチ言っていることについては
鈍感になっていて、言われる側の夫の痛みを想像することはせず、
よかれと思って自分の考えを押し付けていることに気づかされます。
コミュニケーションの癖も思考も、自動的に反射的に行われるところがあるので
修正が手ごわいかもしれません。ですが、
「コミュニケーションとは、
伝え手と受け取り手との間で、相互のやり取りの中で意味を共有する営みのこと」
「小学生になるまでに、語彙や文法を獲得し、言語能力は身につくが、
コミュニケーション能力は一生涯を通じて洗練されていく」
学習・言語心理学より
コミュニケーション能力は、家庭環境の中で身に着けてきたやり方を
生涯を通じて、洗練されていくものなのです。
心と身体を健康に守りながら生きていくためにも、
身近な大事な人とすれ違わず、「意味を共有し」、いい関係で過ごすためにも、
洗練させていく努力が必要なんですね。
そんなことを考えていると、
母から
「私も言い過ぎてたところがあるなあと、
昨日、少し反省した。
お騒がせしました」
と、カラッとした明るい声で電話があり、
驚き、ほっとしました。
何歳になっても、気づくことさえできれば修正可能のようです。
とはいえ、おそらく又繰り返すでしょう。
私も、気を許している家族に対して
うっかり言い過ぎてしまうことがあるでしょう。
それでも、その度ごとに、自分を振り返り、
自分に胡坐をかくことなく、
洗練させていく
いつか80歳になったとき
娘や息子の指摘に
「もう年だから、わかんない」
などと、言っている自分の姿が容易に想像できてしまい
我ながらゾッとしたので、
そうならないために
自分を客観的に認知していく機会を大事にしたいと思うのです。
緩やかに柔らかにどんどん変容させ、洗練させていきたいと思うのです。
一緒に学んでみたい人はお越しください。
~ご案内~
◇心理学講座 追加開催します
「自分を縛る固定概念を開放する」論理療法
9月17日(水)
9月20日(土)
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◇cocoriseファミリーコンステレーション
10月11日(土)・12日(日)
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◇個性類型学Ⅰ
9月6日(土)
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終戦から80年。
戦争を知らずに生きてきた私ですが、
ファミリーコンステレーションのワークで、
戦争を背景とした
気が遠のくような
苦しみ
怒り
深い痛み
哀しみ
罪悪感
・・・
文字では表現しきれない現象を
その場に居た人たちと
共に見させていただき
共に体験させていただく機会が
幾度もありました。
記憶として残らないとしても
深層に刻まれる
深く尊いワーク上での体験の数々。
・・・
戦前から戦後
その過酷な時代を
耐え抜き
這いあがってきた
生き抜いてきた
先祖の皆様の
強靭さ
深い愛
・・・・
壮絶で過酷な運命のなか
それでもそこに立ち続ける
計り知れない
先人の強さ。
私たちは
しっかりと見て
頭を下げ
手を差し出し
受け取って
生きていくことができるのだと
学ばせて頂いています。
「~略~
このようにして家族に秩序が取り戻されると、
個々のメンバーは家族を去ることができ、
そうしながらも、その家族からのサポートを背後に感じることができます。
人は自分の家族の絆が認められ、責任が明確になり、
それが共有されて初めて安心できるのです。
そうすると、個人は過去からの重荷を背負わされることなく、
また捕らわれることなく、
ようやく自分自身の歩みを進められます」
ファミリー・コンステレーション創始者バート・へリンガーの
脱サイコセラピー論より
猛暑のなかに咲く向日葵のように
大きな流れと繋がりの中で
その一部としてここに立っていようと
戦没者の皆々様
先祖の方々に
手を合わせて
平和を願う
2025年夏の日です。
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お申込み開始は8月26日とさせて頂きます。